起業の形は何が良いか?
2012年6月28日
平素はお世話になります。
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筆者は、経済産業省後援事業「ドリームゲートアドバイザーサービス」認定専門家に登録しています。
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その中で、
多いご相談の一つが、「法人と個人事業のどちらの形がよいのか?」
と言った内容のものです。
確かにこの問題は、
単純にどちらがよい!とは、決めにくいと思います。
ということで、
簡単にそれぞれのメリット・デメリットについて、まとめておきたいと思います。
また、一言で「法人」といっても株式会社や持分会社である合同会社、合資会社、合名会社、責任有限事業組合などがありますので、
ここでは、株式会社のうち(取締役が一人でも良く、設立しやすい)株式譲渡制限会社と、
青色申告の個人事業ということに絞り、現行の税制等と言う前提で考えてみました。
一般的な法人(株式譲渡制限会社)のメリット
1、信用度が高く、良い人材を確保しやすい。
2、経営成績や財政状態を把握しやすく計画がたてやすい。
3、経理内容がはっきりしている等の理由から、個人事業者よりも融資が受けやすい。
4、経営者の給与は、役員報酬として受け取る(法人の経費)ことにより給与所得控除の適用がある。
5、家族従業員も社会保険に加入できる。
6、役員の生命保険料や退職金も必要経費にできる。
7、生計を一にする親族からの借入金にも支払利子の計上ができる。
8、損金の金額は翌事業年度から9年間繰越控除できる。
9、消費税は資本金が1,000万円以下であれば創立事業年度及び翌事業年度については非課税
10、事業期間を1年であれば自由に決められる。
11、負債の責任は出資分のみ(有限責任)
法人(株式譲渡制限会社)のデメリット
1、法人を設立する場合は、定款の作成と登記が必要。費用がかかる。
2、社会保険料負担が大きくなりやすい。
3、適時に正確な会計帳簿作成、複雑な申告書を作成しなければならないので、
税理士等の報酬料等がかかる
4、法人が赤字でも法人住民税の均等割がかかる。
5、資本金1億円以下の法人は、交際費の90%(最高600万円)までしか損金に算入できない。
資本金が1億円を超える場合には交際費は全額損金に算入できない。
個人事業(青色申告)のメリット
1、設立は税務署へ事業の開始届と青色申告承認申請書を提出すればいつでも開始できる。
設立費用は掛からない。
2、届け出により専従者給与がとれる
3、損失の金額は翌年以降3年間の繰り越し控除ができる
4、青色申告特別控除65万円(65万円控除の要件以外の場合は10万円)が受けられる。
5、業務の遂行上の交際費は全額経費計上できる。
6、消費税は創業年度と翌年については免税事業者になる。
7、会計帳簿等の管理や帳簿の作成が比較的簡単にできるため専門家の費用が抑えられやすい
個人事業のデメリット
1、営業上の信用度・企業イメージが法人に比べると低い。
2、事業と個人の資金が混同しやすい。
3、社会保険は事業主及び家族従業員は国民健康保険・国民年金加入になり、
将来の年金受給額が少ない。
4、損失の金額は3年間(法人は9年間)しか控除できない。
5、負債には、通常個人保証がつき、責任は個人財産にも及びやすい(無限責任)
6、事業資産も個人名義のため、相続財産になる。
と言ったようなところでしょうか?
節税だけのため云々と端的に決めるよりも、
将来的な展望のもと、良く考えて選択するべきだと思います。