事業承継対策の必要性 4
2012年2月9日
平素はお世話になります。
経営相談、社員教育・研修、FP相談等 ヒューマネコンサルティング株式会社 代表の阿部です。
これまで3回にわたって、「事業承継対策の必要性」について書いてきました。
今回は、後継者を選定した後の、「後継者教育」について考えてみたいと思います。
一般的には、
後継者を選定した後は、内部や外部で教育を行い、経営者としての能力や自覚を築き上げます。
それぞれの置かれた状況により、取るべき手段は異なると思いますが、
円滑な事業承継のためには、意識的な後継者の育成が不可欠だと考えます。
具体的に考えられることは、
(1)内部教育
① ローテーション
各部門(営業・財務・労務等)をローテーションさせることによって、
会社全般の経験と必要な知識を習得させる
② 要職を与える
役員等の責任ある地位に就けて権限を移譲し、
必要な意思決定やリーダーシップを発揮する機会を与え、学ばせる
③ 指導
現経営者の指導により経営上のノウハウ、業界事情にとどまらず、経営理念を承継する
(2)外部での教育
① 他社修業
人脈の形成や新しい経営手法の習得が期待でき、
従来の枠にとらわれない新しいアイデアも獲得させる
② 子会社・関連会社等の経営
後継者に一定程度実力が備わった段階で、
子会社・関連会社等の経営をまかせることにより、経営者としての責任感を学ばせる
③ セミナー等受講
後継者を対象とした外部機関によるセミナー等を受講することによって、
経営者に必要とされる知識全般を習得、幅広い視野を育成する
勿論、業界や企業特性によって、事業承継の形態は様々であります。
しかし、「いざ」となってバタバタして、結果うまく承継できなかった企業の例は多いものです。
ということは、いずれにしましても、
後継者を定めた後は、育成・教育を始め、諸々に対して、「事前」に取り組むことが、
円滑な事業承継を行う上での一つのキーワードに違いないと思うのです。