ワークライフバランスをふまえた、新型人事管理体制の構築
2012年1月19日
平素はお世話になります。
中小企業の経営相談、経営顧問、ビジネスコーチ ヒューマネコンサルティング株式会社です。
さて、最近、企業経営者と「雇用」や「働き方」についてお話していますと、
昨今の労働市場においては、働く時間、場所、仕事内容について制約をもっている「制約社員」が増加傾向にあるようです。
これに対し、高度成長期を支えた日本企業の典型的な正社員は、
基本的に会社に言われれば時間、場所、仕事範囲にかかわらず働くという「無制約社員」でした。
しかし最近では前述のように、女性、パート、高齢者、障害者、外国人などの雇用機会が増え、
制約社員の方が多数派になり、無制約社員が少数化してきたと言うことだと思います。
世界的には、「多様で」「柔軟な」働き方はメジャーな考え方で、
むしろ先進国の中で日本はまだ遅れをとっている方だと思われます。
以前にも、「ポジティブ・アクション」の必要性について書いたことがありましたが、
http://humane-c.co.jp/2012/01/0109.html
http://ameblo.jp/humane-c/entry-11130993802.html
現在の厳しい情勢にある日本経済社会において、
性別や年齢などに関わらず、やる気と能力を発揮できるような「いきいきとした職場」をつくり、
多様な人材の能力を活かすことは、重要な経営課題だと思います。
無制限社員が前提である従来の人事管理では、
皆が制度に合わせられるため、すべての社員を同じように扱うことができましたが、
制約社員に対しては多様な働き方を前提に人事管理を行わなければなりませんので、
多様な制約社員に対して、総合的かつ多元的な人事管理の構築が必要になってくると思います。
以前は、いわゆる一般職で女性を多く採用しても、
女性は短期間で辞める傾向が強いので、また新たに女性を雇用するというパターンが主流だったと思います。
では、最近ではどうかと言うことなんですが・・
ここの点が、正に企業間格差が大きいところではないでしょうか?
企業によっては、制約社員に対し、育児などを理由に休む際に、
まわりがあくまで「好意」でカバーしているような会社もあれば、
いまだにそう言うムードすらすらない、「また休むの?」といったような企業もあるようです。
そうなると、休む側も気を使うようになりますし、
全体として不満と遠慮感が増大し、モチベーションの低下や以前通りの短期退職にもつながり、
組織生産性が大きく落ちてくるといった負のスパイラルに陥っている企業もあります。
私見ですが、これからの時代では、「好意」でもなく、
「仕組み」「制度」としてのワークライフバランスを踏まえた、
具体的な「新型人事管理体制の構築」が必要なのだと考えています。
今後も、急務と思われる企業に対して、
弊社としても、NPO法人「わぁくらいふさぽーたー」としても、ご支援して行く所存です。